王至森寺で月次釜

受付毛氈を歩いて本堂から

全国の「かおり風景百選」に選ばれている金木犀の大樹で有名な王至森寺です。雨の中を車から降り立つとあまやかな金木犀の香りが漂ってきました。西条祭り前のまさに「香りの風景」です。                                                           西条には以前、「八荷会」と言う男性ばかりの数奇者の会がありました。その先輩方を目指しておられる「芥禮会(かいれいかい)」の茶席です。台風の風雨のなか大勢のお客様でした。当然、名月の趣向ですが残念ながら雨です。本席の脇床にさりげなく掛けている短冊には「台風のことなく過ぎて今日の月」とあります。台風が近づいて急遽掛けられたのでしょう。名月が観られなかったら無月とか雨月と言い、それを慈しむ日本人です。

    月の雨ふるだけふると降りにけり   久保田万太郎

銘 法性  

三方に載せて出されたのは銘「法性」とすすきの干菓子でした。