矢原繁長展 -境界から直観へ-

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 過去、公募展で数々の受賞歴を得ながらも個展デビューは5年前。今年、矢原さんの母校関西大学で大学創立130周年記念事業、関西大学博物館平成27年度夏季企画展として「矢原繁長展―直観―」(6月13日~7月18日)が開催されました。異例の早さです。
 今展は、コレクターのみならず、哲学者から物理学者まで幅広い学問領域の研究者からも注目を集めている現代美術家矢原氏の今日までの創作活動を展覧します。自作詩集を鉛で包んだ「封印」シリーズ。赤い線(糸、赤鉛筆など)で画面を分断する「境界」。そして、最新作「直観」への展開は、社会や我々自身に内在する不条理の中で真実をいかに見極めるか、という彼の一貫した思想を示すものです。
 現代美術の面白さは、作品そのものの美的魅力も必要とされますがそれ以上に、作家がなぜ世に抗うコンセプトを作品のコアにするかを考察することでもあります。今展の「直観」シリーズの黒作品は「境界」の狭間を越えようとするもので凝視せざるを得ません。
ぜひともご覧いただきたくご案内申し上げます。

ギャラリーかわにし 塩出 洽

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矢原繁長展 -境界から直観へ-
2015年7月23日(木)~7月28日(火)
AM10:00- PM7:00