小林秀雄は著書の中で「自分の喜びも悲しみも託して、この職業に深入りし、自分の職業の命ずる特殊な具体的技術のなかに生きる流儀を感得している」と語っている。
自宅の一部屋に絵を飾り、ホームギャラリーとして画廊を開設して早いもので25年になろうとしている。
この間の職業からくる具体的、技術的な経験というものが彼のいうようにやはりぼくの人生観や思考を形作っているように思う。
自分の生きる流儀を決めるに至った職業にまつわる身近な経験、たとえば作品の売買、作家やコレクターとの交流の中から偏見とまではいわないがぼくの独断に満ちた美術論を思いつくままに書いてみようと思う。
1. Posted by 岡崎 正樹 2008年08月11日 21:04
ギャラリーかわにし
店主 様
貴ギャラリーにお伺いして「美派」を立ち上げたとの事、早速アクセスしました。
先ず感じたことは、「自分の生きる流儀を決めるに至った身近な経験から偏見とまではいわないがぼくの独断に満ちた美術論」に薀蓄を傾けるとのこと。
やはり長年の実績から出てくる言葉だと思いました。
今は仕事柄同じように世間の学芸員というのはどんな仕事をしているかだいぶ古いものですが「美の裏方学芸員からのメッセージ」という本を読んでいます。
大きな国立、県立の美術館でも担当する人達の苦悩が見えてくるようです。この年では同じことはできませんが経験者は語るというところでしょうか。
ギャリーかわにしのファンとして今後の随想を楽しみにしています。
岡崎