ご遺族と友人の方々で安藤の作品が整理保存されるまでにはあと少し時が必要だったが、安藤家ではそのきっかけになる不思議な出来事があったという。
これは後日、親しくさせていただくことになったお孫さんの話です。
ある日、おじいちゃん(安藤)の位牌が壇から落ち、その後も落ちることが続き、それではと頼んでお祈りをしてもらったがやはり落ちるので、これはきっとおじいちゃんが何かを告げたいのではないだろうかと家族で相談し、それでは倉庫にしまってあるダンボール箱の中の作品をいちど見てみようと開けたところかなりの作品が痛んでいたので、ああこのことだったんだ。
おじいちゃんは心血を注いで描いた自分の絵が痛んでいることを知らせたかったのだ。
これは作品を預かる者としてたいへん申し訳ないことをしていたものだ、とそれから急遽作品の整理にかかったそうです。