OOGA✕FUGA展 – 画家は額師とコラボする -

OOGA×FUGA展によせて
何事もなければ東京オリンピック、そしてパラリンピックの閉会後の余韻を感じながら、故郷愛媛での展覧会に向けて絵を描き、旅の準備を進めているはずでした。しかし未来のことなど分からないものでCOVID-19の世界規模での感染拡大により、穏やかな日常は遠いものとなってしまいました。感染者が確認されてから1年も経っていないことを考えると、醒めない悪夢を見ているような気分になりますが、この大きな悲劇は現実なのです。
ただ歴史を紐解いてみれば、どんな時代にも芸術のともし火は消えることなく、光は人々の手の中にありました。そして今、COVID-19との闘いに終わりの見えない中で多くの作家たちは、天から与えられし才能をさらに磨き上げ、自らを鼓舞し作品を作り続けています。より深く真の癒やしが求められる時代だからこそ、芸術は普遍の力を手に入れ、人々の日常の中に存在することになるでしょう。
オーガの絵画世界と額師風雅の意匠との融合は、人々の内奥に心地良い痕跡を残す不思議な力を授かりました。このような時代なればこそ、導かれ実現したコラボレーション展ではないと感じております。

今展では、首都圏に住む僕がウイルスの媒介者となっている可能性がゼロではないため、まことに残念ではありますが在廊を控えることにしました。皆様に付きましても、感染予防にご留意頂きながらご高覧頂けますと幸いです。

オーガ　フミヒロ拝

OOGA×FUGA展の初見は23年前、当時、松山市大街道にあった「田都画廊」でした。
作品と額のマッチぶりに感心して2点購入。2年後に初の「オーガフミヒロ展」を開催。以後、二人との関係は地味に長く続いています。今展で5回目になる二人のコラボレーションはそれぞれが心技をパワーアップしたもので楽しみです。
コロナ禍での展覧会ですが、感染予防には充分気をつけていますので安心してご覧いただければと思います。

ギャラリーかわにし　塩出 洽