生誕120年を記念して昨秋の大阪展に続き故郷の笠岡で展覧中です。正月休みに前期展を観て先日後期展にも出かけました。水曜日にも関わらず沢山の入館者で喫茶コーナーもいっぱいでした。
前期後期とも出展されている四曲一双の屏風仕立ての「波切村」対峙して観ていると胸が熱くなるのでした。藍の衣服を着た村の住人はうねる様な坂の小路を黙々と荷を運んでいます。遠く岬の先にも小さな集落がありそのむこうに拡がる海には白い帆をあげた船がゆったり浮かび、入江の砂浜には波が静かに打ち寄せる右隻は朝を描いています。屏風の向かって左に置かれている左隻は日没が近くなり風も出て白く波頭も立ち集落へと急ぐ人々がいます。三重県志摩の波切村の光景を眼前にし竹喬さんは絵筆をとるより前にとても感動したといいます。その作者自身の感動を今、観ている私たちも体感し同じように感動しているのです。
3月2日からは東京国立近代美術館での「小野竹喬展」が始まります。
小野竹喬展 後期展
ぎゃらかわBOX 2010-02-05