今回の瀬戸内国際芸術祭は春・夏・秋のスリーシーズン開催となっていて伊吹島は夏のシーズンのみの開催です。西条から高速道路を東へ進むと左手の海上に見えてくるのが伊吹島です。いりこの生産地として有名ですね。
観音寺港から25分ほどで伊吹島の真浦港に着き、地図には心臓破りの坂と出ている路を歩きます。
「豊福亮+Chiba Art School」 廃校になった小学校の教室に埋め尽くされた「浮き」です。2階では網に吊るされたたくさんの「浮き」が魚の群れのうねりになり、その場に立つと海中に居るような圧巻です。
体育館では大岩オスカールのドームの中に入ります。スタッフの方がドアの開け閉めをされていて異次元の瀬戸内の風景に誘ってくれます。
前回の瀬戸芸では男木島の港近くで大岩オスカール氏は展示をされていたのですが失火により残念なことになりました。が、今回も出展されました。
校庭に出ると石井大五氏の「トイレの家」が。実際に使用されているトイレです。
だらだらと長い坂道の上にある伊吹島民族資料館の庭に設置しているのはキム・テボン氏の「小さな島のささやき」 使われなくなった漁具を組み合わせ音が出る遊具になっています。
向井山朋子氏の「夜想曲」 LUNA..CLIP..の「歩み」を覗いて、なおも上がっていくと関口恒夫氏の「伊吹島レインボーハット」 木の枝で骨組みして毛布を被せ土を被せて3ヶ月ほど島民の方たちと作業をされたそうです。そのシェルターの周りにひょうたんやスイカを植え蔓がシェルターを被っていきます。小さな池には鏡が置かれ晴れた日には鏡の反射でシェルター内にレインボーが出現するのです。暑いけどきれいに見られて良かった!
伊吹島では「出部屋」と呼ばれ、お産を家の納戸で終えた女性が1ヶ月間、新生児と別火の生活をしていた共同産室のあった所です。子供を島全体で大切に育てる子育ての原点です。昭和45年まで使用されていて産育習俗を知るうえでも全国的に貴重な遺構であるとプレートにありました。伊吹島では海を見下ろせるこの場所で親子になった幸せと安堵のなかで過ごしたであろう時間が母親にあったのですね。素晴らしい!!
途中であった人?たち
途中の風景など。
暑いなかを港まで帰ってきたあと、どうしても観ておかなければならない歌碑までまた上りました。
全国でただ一ヶ所、平安、鎌倉の京都のアクセントを遺している島として金田一春彦先生が調査に来島されました。
伊吹島にて
緑濃き
豊かな島や
かかる地を
故郷にもたば
幸せならん 春彦
歌碑を見たあとは、ほっとして「かき氷」を体にいれました。
乗船する私たちは暑さで赤い顔をして汗びっしょりです。伊吹島に渡った豊かな夏の一日になりました。
瀬戸内国際芸術祭の伊吹島へ
ぎゃらかわBOX 2013-08-08